2015年2月10日火曜日

世界に例をみない「悲劇の島」

沖縄県が日本の総面積に占める割合は0.6パーセントだが、在日米軍基地(専用施設)の75パーセントが、この小さな一県に集中している。「沖縄の中に基地があるのではない。基地の中に沖縄があるのだ」といわれるほど、沖縄は米軍基地の過密地帯になっている。

同県の面積の11パーセントは米軍基地によって占められており、沖縄本島だけだと20パーセントに達する。人口百30万人の島に駐留する米兵は2万7千人。欧州のどの国を見ても、こんなに外国基地だらけの州や県は一つも見出すことはできない。

沖縄に米軍基地が無闇矢鱈と多いのは、太平洋戦争末期に沖縄に侵攻した米軍が、日本軍に勝って全島を占領、日本が降伏する前から生き残った県民を各地の収容所に閉じ込め、「銃剣とブルドーザー」で土地を奪って次々と基地を作ったためだ。

「陸戦の法規・慣例に関するハーグ条約」(1907年)は戦争中といえども私有財産の没収を禁じており、たとえ軍の必要で収用しても、対価の支払いを義務づけている。

沖縄での米軍の有無を言わさぬ土地収用は、明らかな国際法違反であった。日本の国土で戦われた唯一の地上戦の死者は、日本軍約九万人、米軍1万数千人にのぼったが、非戦闘員の沖縄県民も全体の三分の一に当たる十数万人が犠牲になって、沖縄は「悲劇の島」になった。