2012年6月21日木曜日

プロサッカーリーグは若手選手育成に無策、無責任だ。

ユニバーシアードで男子サッカー代表が優勝を飾った。公開競技で行われた79年大会を除けば、過去13回で5度の優勝は断トツ(2位のウルグアイは2度)の成績で、2001年(隔年開催)からは3連覇の歴史もある。
ただしユニバーの好成績は、日本の大学生の置かれた恵まれた環境を考えれば当然でもある。欧州や南米に大卒のプロは、ほとんど存在しない。プロクラブに所属しながら、将来に備えて大学で勉強をしている選手はいても、大学チームに所属してプロを目指す選手は滅多にいないはずだ。そういう意味で、日本と韓国には特殊な事情がある。日本が3連覇した際に、決勝の相手はすべて韓国だったわけだが、いずれも大学生がプロの予備軍になっている稀有な国なのである。

日本の大学生は、頻繁にJクラブの胸を借りて試合が出来るし、大学選抜として遠征などの活動も少なくない。しかも日本が依然として学歴社会であることを考えれば、プロの勧誘を蹴って大学進学を選択する選手が目につくのも無理はない。

古い話になるが、メキシコ五輪(1968年)に銅メダルを獲得できた背景として「大半が大学出身選手で知性が高かった」と、当時の代表特別コーチだったデットマル・クラマー氏は語っている。大学進学は、技術と理論をバランス良く育てる意味でも有効なのかもしれない。

だが反面高校年代の有力選手たちが大学へと流れていくのは、Jクラブの育成組織やノウハウが遅れている。高校を卒業して、すぐにトップチームの戦力になれる選手は稀だ。ところがJクラブの大半は、下位リーグにセカンドチームを持たないし、だからといって即カテゴリーの異なるクラブに貸し出そうともしない。

結局彼らは2-3年間はベンチを温め、大学生の練習台となる。もちろん大学リーグを「温い」と言う声もあるが、同じ4年間でどちらが伸びるかは微妙だ。

少なくとも現在大学は、地域でも選抜チームを作り国際経験を積ませるなど、選手を発掘し伸ばしていくための工夫をしている。それに比べると、サテライトリーグも廃止されたプロ側は、同年代の育成に関して、あまりに無策、無責任に映る。

2012年6月13日水曜日

フジのえげつない囲い込み作戦に他局お手上げ

なでしこジャパンのW杯優勝で日本はすっかりお祭りムードだが、凱旋帰国したチームを追い掛け回しているマスコミからはフジテレビの“実弾攻撃"に不満タラタラだ。

フジは数千万円を使ってドイツW杯の放映権を獲得し、18日の決勝後半戦は朝5時からにもかかわらず、21.8%の高視聴率をマークした。これはすごい。だが、問題があって、それはフジの取材方法。札束を積んで主要選手やその家族を囲ってしまうため、アプローチができない他の新聞やテレビが頭を抱えているのだ。

「MF沢穂希の母・満壽子(まいこ)さんは16日にフランクフルト入りしましたが、フジは100万円近い飛行機代やホテル代などの現地滞在費を負担し、さらにパートを休む満壽子さんのために休業補償までしてあげたそうです。そこまで手厚くしてもらったら、当然、満壽子さんもフジに気を使ってしまう。実際、フジ以外のメディアではほとんど満壽子さんの肉声が聞けませんでした」(関係者)

フジは19日も帰国直後の選手11人と監督を2時間にわたって拘束し、夕方の「スーパーニュース」に生出演させた。もちろん、ギャラもはずんだのでは。一事が万事、フジがこの調子でなでしこジャパン周辺の面々を囲ってしまうため、他のメディアは手も足も出ないのだ。

「沢がサッカーを手ほどきしたのは兄の典郷さん。父の靖邦さんは15年以上前に蒸発してしまい、残された家族は経済的に苦労したそうです。こうしたプライベートの秘話を沢本人か満壽子さんに直接確認したいのに、フジが独占しているため難しい状況です」(マスコミ関係者)

“お台場はえげつない”という声が上がりそうだ。