いよいよ夏休み到来。ガソリンは7月下旬から8月末にかけ、1年を通じての最需要期を迎える。ただ首都圏の給油所の店長たちの顔色は一様にさえない。価格の高騰を受けた買い控えで販売量が大幅に落ち込んでいるからだ。
石油情報センターが16日にまとめた14日時点のレギュラーの給油所店頭価格(全国平均)は1リットル181.3円。前年同時期に比べて3割も高い。都内で「1リットル184円」の看板を掲げる新日本石油系の給油所店長は「前年に比べて販売量が2割ほど減っている。夏休みも似たような状態が続くだろう」とあきらめ顔だ。
全国の給油所数は2007年度末時点で約4万4000店。1994年度末に比べ3割弱も減ったうえ、「7割が赤字」とも言われる。国内市場が縮小するなかで過当競争に陥っており、原油価格の高騰分を店頭価格に転嫁し切れていないからだ。
首都圏で4店を運営していた小規模の石油販売会社は今年3月と6月に相次ぎ店舗を閉めた。同社の社長は「続けていても赤字が増えるだけ。残りの2店舗もどうなるかわからない」と寂しげに語る。
原油高で「レギュラー200円」が目前に迫る一方、価格競争も激しくなっている。神奈川県の国道16号沿いの給油所は7月初めに182円に上げたレギュラー価格を、10日間で178円まで下げた。採算は厳しいが、店長は「販売量をある程度確保するためには仕方ない」と苦渋の表情だ。
ある石油業界関係者は「この夏場の最需要期の売れ行きが、今後の給油所の販売姿勢を左右する」と指摘する。消費者が高値を受け入れて量がそこそこ売れれば値下げは沈静化するが、大幅な販売減となれば値下げ競争で淘汰が加速する、との読みだ。給油所はどちらの道を選ぶのか。答えは遠からず出る。