2012年4月10日火曜日

楽観できない銅加工品メーカーの値上げ交渉

銅加工品メーカーは燃料や副資材費の上昇を理由に加工賃の引き上げ交渉を進めている。主原料の銅の価格は建値に連動するが、加工賃は顧客と交渉して決める。需要が伸び悩んでおり、交渉の行方は楽観できない。

日本伸銅協会(東京・台東)によると2007年度の銅加工品の生産量は99万8000トンと5年ぶりに100万トンを下回った。需要減の一因は銅加工品の製品価格がこの数年、高値で推移していることにある。銅製品より安い樹脂製品などに切り替える需要家の動きもあった。

銅板や銅管などの東京の問屋価格は現在、軒並み3年前の2倍程度。値決めの指標になる国内製錬会社の銅地金の建値が上昇しているためだ。銅地金の建値は7月中旬で月平均1トン95万円程度と最高値圏で推移している。南米の鉱山のストライキを受けて国際価格が上昇し、建値も高止まりしている。

高値に加えて、07年は改正建築基準法の施行による住宅着工減で住宅向けの出荷が伸び悩んだ。08年度も景気後退を受けて住宅着工は依然として回復しないまま。水回りの金具に使う黄銅棒やエアコンに使う銅管の生産量は伸び悩んでいる。

ここにきて携帯電話やパソコンなどの生産調整の影響も出始めている。電子部品に使うリン青銅や銅と亜鉛の合金である洋白板の問屋への受注は落ち込んでいる。

メーカーとしては加工賃の引き上げが浸透しないと収益が改善されないのも事実。ただ、北京五輪後の需要の冷え込みも懸念され、銅条や黄銅条を使う自動車も生産計画の見直しが進んでいる。メーカーが狙う加工賃の引き上げは一筋縄ではいかなそうだ。