2014年7月5日土曜日

一村一品運動は実践である

一村一品運動については、県職員にも直接、説明の機会をもった。一村一品運動は行政主導ではなく、あくまで地域住民のイニシァティブによるものであるから、一村一品課もなければ、一村一品補助金もなければ、一村一品条例もない。これは今日まで変わらない。たまたま大分市にあるデパートの社長が、この運動を始めて一年後に、「運動の趣旨に感動しました」といって一億円を寄付してくれた。

これを一村一品基金とした。今日ではいろいろな方々からの寄付もあり、一億六二〇〇万円になっている。この基金の利息収入を運用して、一村一品奨励賞として、金賞(二〇〇万円)、努力賞(五〇万円)などをもうけ、努力している市町村の地域づくりのグループに差し上げている。税金ではないから何に使ってもよい。実際には、海外への研修や国内の視察、地元の公園建設など、有益に使われているようである。

一村一品運動は理論ではない。実践なのである。実践を通じて地域にやる気をおこさせる運動である。したがって、モデルを示さなければ具体的な理解が得られない。「ここの町ではこうした。だから人が増えたんだ、所得が伸びたんだ」という成果を示すのである。この手法は企業でもたいへん大事であると思う。部下に口で言っただけでわかるようなら、役職員はいらない。役職員は、いかに事例を多く知っているか、さらにどんなに困難な事態になってもこれまで学んできた経験から解決策を見出していけるかどうかによって価値(存在理由)が問われる。

そこで、一村一品運動によって地域が活性化された五つの事例をあげることにしよう。大山町、湯布院町は先に述べたが、ここではさらに詳しく述べる。梅・栗から、いまCATVI-大山町「本番行きますよ。五、四、三、二、一……」「今晩は。お茶の間ニュースです……」午後六時、定例のニュース番組が始まる。スタジオにスタ″フは六人。緊張の走る一瞬だ。ところが、民放のテレビ局とは少し勝手が違う。スタジオは町役場のなかにある。

大山町は、耕地面積が全体の一〇%に過ぎない小さな農山村である。その大山町は前述したようにムラおこし発祥の地。「梅・栗植えてハワイに行こう」のキヤッチフレーズで全国に名を馳せた。四一年に「第一回ハワイ観光団」を出発させ、これまで中高校生を含め、五〇〇人以上の町民がハワイでの生活を体験している。ほかに中国、イスラエルなどにも出かけており、パスポートの所持率も県民平均の約二倍に達している。いま、このムラおこしの町の役場専用スタジオから、町内全世帯に町独自のナマ情報を送っている。